非常につき非情

役者は役名で覚えられてナンボ、ともいいますよねこの世界

この世界がどの世界か、はともかく
かつて子供向けのお芝居に関わっていた頃、舞台で一緒だった子供たちと再会する度に役名で呼ばれる事も多々あったのですが、何しろ人間以外の役も多かったもので、嬉しい反面ちょいと恥ずかしかった記憶がございます

とそんな昔話はさておき

最近ずっと引っ掛かる事がありまして
今、稽古をしている芝居なんですが役名がなかなか馴染まなくてですね
というのも私、演出をしている最中は稽古場では役者を役名で呼ぶようにしておりますが、どうも今回の芝居に関してはすんなりと呼べず
毎回、ダメ出し(偉そうにスイマセン、演出なもので)をする度に心の中で一瞬、(え〜っと、どっちの名前だっけ)などと迷う事も少なくなく
稽古に入ってすでにそこそこの月日が経っているというのにどういう事だよ、って感じですが

今回の座組はフレッシュ(死語?)な若手女子二人が加わって本来ならいつも以上にテンションも上がるはず(変な意味じゃありませんよ)
、、、なのにわずか二人の役名すらスッと出ないというこのテイタラク(ーー;)

頭がボケたのかしら、と思わなくもないのですがそうでなければまだ役に染まっていないのかそれとも雰囲気にそぐわないのか
あとはやっぱり演出の引き出し方がまだ足りていないという証なんでしょうねきっと

まだまだ力不足で試行錯誤の日々でございますが、台本稽古もボチボチ卒業しこれからが正念場でもあるこの時期
荒療治というわけではありませんが思い切って役名を変えることにしました

、、、えっ?役名を変えるとな?今になって?

と戸惑いの声も聞こえてきそうですが当然ですよね、馴染んでいた名前がある日突然、急に違う名前になるわけですから
「シロ」と呼ばれてた猫が急に「クロ」と呼ばれても何の事だかわからないのと同じでヒトだって戸惑いますわね、ええ

ですが考えようによっては舞台における名前などそれほど重要なものではないのです(すべてとは言いませんが)
普段コテコテの日本人が「ロミオ」なんて名乗ったら本来は「どの面下げてロミオだよ」と言われそうですが舞台で翻訳物を演じる際にはまかり通る
つまり名乗ったもの勝ち、、、ではなくて演ずる者がそう思えばどんな名前でも明日から演じる事が出来ると言うことなのです

ただし、演ずるものに迷いがあるうちは観る人も「ロミオ」には見えない
そっちの方が重要なのです

人によってはこれを演出のエゴと感じるかもしれませんが意地悪でもエゴでも何でもなくむしろ試金石というか、あえてそこを脱して欲しいという所謂「愛のムチ」なのです

えっ?ムチでなく無智?
むしろ今ならパワハラ案件?

とかなんとかその前に名付け親の私が呼ぶのに慣れるところから始めないとですね

、、、ってそっちかい!


m(__)m




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