センスの良い選曲に出会うと自称：選曲にこだわるモノとしては素直に賞賛したくなる、と同時にほんの少しジェラシーを感じざるを得なくなるのです

ということでオープニングの曲がまるでゴスペルのようにとても荘厳な感じに聴こえた『寿歌』を観てきました

昨晩の高山市民文化会館小ホールでの話です

舞台（板）こそ違うものの7年前に同作でキャストとして出ていた身としてはどうしてもヤソのセリフが耳に入ってしまうのですが、不思議ですよね

７年経ってもやっぱりセリフのほとんどが耳馴染みあるものでした

というかむしろ、こそばゆい感じというか、変な感じというか

どうして自分がココ（客席）にいるんだろう、と最初は思いながら観てました

そりゃそうですよね、キャストじゃないんですから

．．．

感想としては7年前の『寿歌』が

「とんこつしょうゆ味」

だとしたら今回の『寿歌』は

「和風しょうゆ味」

といった感じでしょうか

しょうゆと呼んでおいて和風ってのも妙な気もしますが、こってり度の強かった7年前のあの舞台に比べると、昨日のは割とあっさりとした感じに思えました

勿論、個人的な感想なのでどちらが好みかというわけではありません

聞くところによると7年前に上演したものは同じ『寿歌』でも加藤健一事務所の上演作がベースだったようで、今回はおそらくオリジナルのプロジェクトナビ版をベースにしているようです

その辺の違いがあるんでしょうねきっと

どちらであれ『寿歌』の本来持っている魅力や訴えかける何か、などは大きな違いがない．．．はず

．．．でしょうから



ということで
上演関係者のみなさん、お疲れ様でした

優子さん、久しぶりのキョーコ役いかがでしたか？
前作とはまた少し違ったキョーコのような気がしましたが相変わらずブレない感じが観ていて気持ち良いというか魅力的でした

シゲルさん、大事なところで噛んだのは残念ですが「とにかくやりたかったんだ」という気持ちだけは伝わってきました

Ｑさん、旧さんのヤソってどんなんだろう、というのが個人的には今回の最大の興味だったのですが、いつもと違うキュウ氏の物腰というか優しい部分というかいつもとは違う感じが新鮮で、でもなんだか照れ臭そうで、やっぱりところどころで「即興芝居」の欲求を抑えているような、そんな感じを楽しく拝見させていただきました

ちなみに7年前の（この話ばかりでスイマセン）舞台では僕らはかなり汗だくで芝居してましたが昨晩は「ほぼ無汗」というか

もっとも三者ともベテランですから汗などかかなくとも芝居が出来るのかもしれませんけど
このあたりが「とんこつしょうゆ味」と「和風しょうゆ味」の違いを感じたところでしょうか

ともすれば懐メロっぽい世界になりがちなところを、そうしなかったのが今回の芝居の特徴というか
過度な思い入れが無い分、お客さんの想像力を掻き立てる、という狙いだったんでしょうか

そんな感じがやはり

３．１１後の『寿歌』

なのかもしれない．．．と思ったのでしたが正直なところ、３．１１後だからこその『寿歌』という見方をするならば、ズシンとくる何かが無かった．．．ような気がします

考え過ぎでしょうか



さて

次は自分達の芝居です