グッジョブ!大五郎
それにしても最近の子役ときたら
場合によっちゃ大人よりも堂々としていて自然体というか怖いモノ知らずというか
もはや「子役」なんて括りが必要ないくらいに大人の中で違和感なく芝居をしてるんですからね
さて子役といえば「ケンちゃんチャコちゃん」...はあまりに古いのでここはやっぱり「ちゃん!」のフレーズでお馴染みの大五郎さんに登場してもらうしかないでしょう
子連れ狼、拝一刀の息子、大五郎でございます
といってもキン萬屋の子連れ狼じゃなくてトミー若山の映画版子連れ狼、なんですが、スプラッタ映画顔負けの血の量と人体損壊描写、そしてアイデア豊富な殺陣アクションが見もののこのシリーズ
トミー若山も凄いんですが大五郎も負けてはおりません
ほぼ一言二言しかない台詞のインパクトといい眉間に皺を寄せるだけで感情のすべてを表す演技といい存在感たっぷり
しかも毎回、ちゃんと敵を倒す時には一役買っているところもグッジョブ、なんですね
今回の『死に風に向かう乳母車』でも敵と対峙する前にちゃんと乳母車の仕掛けを動かして確認作業を怠りないところなんぞは、大人より仕事をしている感たっぷりでございます
気になる方はまずは
『三途の川の乳母車』(シリーズ2作目)からおススメいたします
大五郎のグッジョブ!の集大成といっても過言ではありません
ところで子役といえば先日の無尽舎公演
『青天の☆嵐』にも子役...というか子供が(中学生と高校生...なので「子供」と呼ぶにはそろそろって感じですが)出てましたが普段ほぼ大人ばかりで芝居をやっているせいか子供の役者が居る稽古場って珍しいんですよね
だからなんでしょうか
いちいち新鮮というか可笑しいというか、ついつい注目しちゃうわけです
大人と違って「自我」がそんなに無いせいか基本的に演出の言う事をそのままちゃんと聞いて演じるわけですが、これが毎回きちんと同じなんです
そりゃぁ微妙に声のボリュームの大小やトーンは違ったりしますけど毎回きちんと同じ事をやるので演技に「ブレ」がないわけです
演出によってはそれじゃ物足りない、もっと相手によって変えなよ、色々試してみれば、とか言ったりするかもしれませんけど今回はそういう芝居ではないので観ていて物足りなさをあまり感じない
むしろ他のベテランの大人たちの中にすんなり溶け込んでいるので或る意味、感心しきりというか
かといって何も考えず自然体でやっていたのかと思ったらそうでもなくて
後で聞いたんですが、子役のうちの大五郎...じゃなくて息子役(中学生)などはある場面におけるその役の行動を、ちゃんと裏打ちされた心理からそうなった、と真顔で解説したりするから大したものですよ、まったく
なのに演技以外ではどうにもつかみどころのないやっぱり子供でして、舞台袖で見てはいけないモノを見た、と平然と言って周りを凍りつかせた挙句、写るはずの無い「それ」をカメラで撮ろうとあっちでパシャパシャこっちでパシャパシャやってましたからこりゃどうじゃいってなもんで
子供ってのはホント、不思議な生き物です、はい